ブラックマーケット調査

美術とマフィア、犯罪学など

アジアを襲った略奪、サブハッシュ・カプールの密売組織

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wikimediaより:Giri9703様撮影

アジアからの略奪品を違法に集め、美術館やコレクターに販売する密売組織はいくつかあるようです。インドやアフガニスタンなど、寺院や遺跡に恵まれていつつもそれを狙う者に対して比較的に無防備な地域を狙う悪徳ディーラーは数知れず。

今回はその中でも有名で規模が大きい、サブハッシュ・カプールの犯行と彼が利用した(あるいは利用し合った)人物たちを調べました。

あらかじめお伝えしておきますが、サブハッシュ・カプールは現在インドで長い裁判の最中にあります。そのためメディアから伝えられたことがすべて真実である保証はありません。アジア古美術界ではセンセーショナルな出来事かつ、文明保護の観点からは過敏にならざるを得ないテーマであるがゆえに、本来ならば一歩引いて見たほうが良いのかもしれません。

裁判の進行に伴い、ここに書いた出来事の解像度が上がる可能性もあれば、くつがえる恐れもあるということをご理解いただければ幸いです。

 

国際手配された人物

2011年10月30日、フランクフルト空港にてサブハッシュ・カプール(Subhash Kapoor)がパスポートを提示すると、コンピューターに警告が表示された。すでに彼はインド中央調査局によりレッドノーティスの対象となっていた。レッドノーティスは国際手配の中で最も緊急性が高いものであることを考えれば、インド当局の本気度がなんとなく窺えるかもしれない。

カプールはマンハッタンの富裕層が集まるマディソン・アベニューの一角にギャラリー「Art of the Past」を持つ古美術商だった。インド系アメリカ人の彼は、アート雑誌の常連で寄付も行う著名人である。世界中の美術館がアジア古美術の収集には彼を頼った。そんな人物が国際手配されていたのだ。

インド中央調査局は2つの寺院荒らしに関連しているとしてカプールを追っていた。

関与を強く疑われているのは2006年のスリプランダン寺院への侵入窃盗と、2008年のスッタマリ寺院への侵入窃盗カプールはチェンナイで定期的にアソカンという疑惑の人物と会合し、その後も連絡を取り合うことにしていたようだ。アソカンは寺院襲撃のたびに泥棒を雇い、窃盗団を結成した。そして盗品の写真をニューヨークにいるカプールに送り、逐一報告してもいた。

さらにアソカンは、盗品を数々のレプリカの中に忍ばせてチェンナイからニューヨーク送る役割も担っていた。

2006年の窃盗では、チェンナイからの発送はクマールという人物が所有するEver Star Internationalが行い、ニューヨークではカプール所有のNimbus Import Exportが直接受け取った。クマールもアソカンも、後に窃盗団とともに逮捕される人物であり、両者とも古美術窃盗ネットワークの一員であるとみられる。クローズドな状況下で輸送が行われたことになるだろう。

ただ、2008年の窃盗ではこのルートではなく、チェンナイ→香港→ロンドン→ニューヨークというルートをたどっている。この時期はアメリカがカプールの動向を警戒していた時期でもあり、カプールはそれを知って経由地を増やしたのかもしれないが、真意は掴みきれていない。

いずれにせよ寺院から盗んだ像は、カプールの本拠地であるニューヨークに送られた。

ニューヨークに届いた盗品は、カプールによって虚偽の来歴証明を与えられて次々に売り出された。例えばスリプランダン寺院から盗まれた「踊るシヴァ神像(ナタラージャとも呼ばれる)」は以下の経歴を持つアイテムとしてオーストラリアの美術館に売られた。

「1970年、インドのAbdulla Mehgoubが購入(Abdullaは後にアメリカに移住した)。この購入は妻のRaj Mehgoubの手紙からも裏付けられている。そしてこの像は2004年にカプールがRaj Mehgoubから正式に購入したものである。」

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踊るシヴァ神像(ナタラージャ) 画像引用:artnet news

3枚の領収書や手紙から作られたストーリーを美術館は信じ(あるいは信じたことにして)、500万ドルでシヴァ神像を購入した。同様に、スリプランダン寺院から盗まれた像たちは世界各地へ売られていった。

マニッカヴァチャカル像:ニューヨークの個人コレクターへ65万ドルで売却。

Uma Parameshvari:シンガポールのアジア文明博物館へ65万ドルで売却。

ガネーシャ像:オハイオ州トレド美術館へ24万ドルで売却。

これはあくまで一部だが、カプールは他にもトロント、パリ、ベルリンなど世界中の美術館やコレクターへ盗品を売り続けた。

カプールが拘束されている間にアメリカでは収集品の押収が続いていた。マンハッタンにある彼の倉庫から、ホテルから、そしてニューアーク港から数々の古美術品が押収され、アメリカ当局はその価値を1億ドルと見積もった。捜査官ジェームズ・ヘイズいわく、カプールの事業で非常に興味深いのは過去に例を見ない物量であり、「ブラックマーケットのサザビーズ」とも例えている。

そんなカプールの活動が目立たなかったはずがなく、インドとアメリカ両国では早くから。カプールの包囲網を構築していたという。

カプールが拘束される4年前の2007年、すでにICE(アメリカ移民・関税執行局)は彼に注意を払っていた。インド領事館から、インドの盗難品が入れられた1400kgの積み荷の到着を知らされたからだ。箱には「大理石のガーデンテーブル」と書いてあった。

また、インドで逮捕された窃盗団の一員がカプールの関与を証言したこともインド当局には追い風になったことだろう。

窃盗共謀罪の容疑でフランクフルト空港からチェンナイに送還されたカプールは、2021年現在もインドで裁判進行中の身である。

 

「Hidden Idol作戦」

ICE(アメリカ移民・関税執行局)の一部門であるHSI(国土安全保障調査局)は2008年から「Hidden Idol作戦」と名付けられた調査に踏み切った。カプールの逮捕と「ブラックマーケットのサザビーズ」レベルの盗品の発見は、この調査の一環で行われたものである。

調査内容として宣言されたのは「東海岸のオークションハウス」と「アジアウィーク・ニューヨーク(年に10日開催されるアジア芸術の祭典)」とされており、それ以上の詳細な説明はない。しかし少なくとも当初はカプールをターゲットとした調査であることは明らかである。

Hidden Idol作戦はカプールの所持品の押収の中で、彼のビジネス記録を発見した。この記録のおかげで次々と盗品を見つけ出し、世界中の美術館がカプールの息がかかった古美術を返還することになった。

 

2014年
トレド美術館は、ガネーシャ像をインドに送還。この美術館は、政府の調査結果を待たずに、明確な所有権が証明できないものは返却するという独自の方針をとっていた。いち早く返還に応じた美術館の1つである。

2014年
オーストラリア国立美術館がチョーラ時代のブロンズ彫刻を返還。その後もオーストラリア美術館は4回の返還を行っている。
2016年、3世紀の石灰岩の彫刻と12世紀の石の彫刻を送還。2019年、15世紀のdoor guardians(?)2体と、6~8世紀に作られた彫刻を返還。これらは全てカプールと関係した品である。そして 2021年7月にもドゥルガー女神像を含む美術品14点をインド政府に送還した。そのうち13点がカプールから購入したものであった。

2015年4月
ホノルル美術館が7点の美術品をインドに返還。うち5点はカプールから直接購入したもの。

2015年7月
ニューヨークの個人ディーラーが、カプールから購入した古代インドのマニッカヴァチャカル像が盗品であることを知り返却した。この像は本記事冒頭で紹介したスリプランダン寺院から盗まれたもの。

2016年3月15日
アジア・アート・ウィーク期間中に予定されていたクリスティーズの特別オークションのラインナップから、インドから略奪されたとみられる8世紀の砂岩製のパネルが見つかり、削除された。

2021年4月19日
マンハッタン地方検事が略奪された33点の美術品アフガニスタンに返還。全てがカプールに関係する品であるという。

2021年6月初旬
マンハッタン地方検事が略奪された美術品27点をカンボジアに返還。これにはカプール絡みの品だけでなく、ナンシー・ウィーナーという別のディーラーからの押収品も含まれた。後述するが、アジアの盗品を扱うディーラーは程度の差こそあれカプールと関係している者が複数存在した。

2021年10月28日
マンハッタン地方検事局は美術品248点をインドに返還。ほとんどがカプールから押収された物であり、これまでのインドへの返還の中で最大規模のものである。推定価格は1,500万ドルに上った。

 

ここに列挙したものはあくまで一部である。カプールスリランカ、インド、パキスタンアフガニスタンカンボジア、タイ、ネパール、インドネシアミャンマー等、アジアからの略奪品を手広く扱っていた。

インドでの寺院襲撃にとどまらず、もはや被害はアメリカ含む各国の美術館に及んでいた。2012年、いよいよマンハッタン地方検事局がカプールの逮捕状を発行。とはいえカプールはインドで長い裁判の終了を待つ身でもあるためすぐには叶わないことではあった。

さらに2020年、同局は身柄引き渡しの書類を提出。検事局のスポークスマンは、「我々は、インド当局に引き渡しを早めるよう引き続き働きかけています」と述べている。

現在72歳のカプールは10年間インドで拘束されており、裁判が終了すれば米国に送還されて新たな容疑で裁判を受けることになる。

 

暴かれたネットワーク

マンハッタンの「Art of the Past」への捜査の際、アーロン・フリードマンというカプールのマネージャーが盗品所持の疑いで逮捕された。彼が2013年に盗品所持の罪を認めたことは、当時オーストラリア美術館に売ったシヴァ神像について「外交官である妻から譲り受けた」と無実を主張していたカプールにとって逆風となったのは間違いない。

さらにカプールの恋人Selina Mohamedも2013年に共謀罪を認めて条件付きで釈放、カプールのの妹Sushma Sareenも2014年に司法妨害で有罪となっている。

カプールの逮捕に続いて、彼の周囲の人物が次々と逮捕され始めた。2019年にはカプールと強い共犯関係にあるとされる7人も、30年間にわたって1億4500万ドルの密輸組織を運営していたとして刑事告発された。7人のリストを以下に記しておく。

 

サンジーブ・アソカン(Sanjeeve Asokan)

2009年3月25日からインドで拘留されている。チェンナイでの会合をはじめ、カプールと密接に連絡を取り合い、インド寺院の襲撃のため窃盗団を結成した人物である。第1級の盗品所持の罪(9件)、第2級の盗品所持の罪(10件)、第3級の盗品所持の罪(1件)、第4級の共謀の罪(1件)など21件の罪に問われている。

 

ディーン・ダヤル(Dean Dayal)

2016年初頭にチェンナイで密売共犯者と共に逮捕。彼は寺院襲撃の実行犯と疑われている。ニューヨークでは第2級の盗品所持の罪(4件)および第4級の共謀罪(1件)を含む合計5件の罪に問われている。

 

ランジート・カンワル(Ranjeet Kanwar)

カプールに骨董品を供給していた人物の1人と疑われている。カプールが所持していた倉庫から見つかったコンピュータ・ディスクのフォルダに、「SHANTOO」と名付けられたものがあった。これはカンワルのコードネームである。

1999年にインドからナーガラージャ像が密輸された事件の首謀者とされており、第1級の盗品所持の罪(1件)、第2級の盗品所持の罪(2件)、第4級の共謀罪(1件)に問われているが、まだ逮捕されていない。

 

ヴァラブ・プラカシュ(Vallabh Prakash)

息子と共にムンバイでIndo-Nepal Art Centreというギャラリーを運営していた。盗まれた像をカプールに売り、カプールはこれを偽の来歴証明を添えてニュー・サウス・ウェールズ美術館に売った。第2級の盗品所持の罪(10件)、第4級の共謀罪(1件)など、合計11件の罪に問われているが、まだ逮捕されていない。

 

アディティヤ・プラカシュ(Aditya Prakash)

ヴァラブの息子。記事冒頭の寺院から盗まれた像の密輸にはこの一家が関与しているとされる。第2級の盗品所持の罪(10件)、第4級の共謀罪(1件)を含む11件の罪に問われている。彼も逮捕されていないままである。

 

リチャード・サーモン(Richard Salmon)

ブルックリン在住の美術品修復家。カプールはいったん香港を経由した盗品をサーモンか、ロンドンにいるニール・ペリー・スミスに送って修復を施した後、自身のギャラリーで売る方法を好んだようだ。サーモンは第2級の盗品所持の罪(30件)、第3級窃盗の罪(1件)、第3級の盗品所持の罪(1件)、第4級の共謀罪(1件)、第1級の詐欺(1件)に問われている。

 

ニール・ペリー・スミス(Neil Perry Smith)

ロンドンの美術品修復家。サーモン同様、香港を経由した盗品の修復を任されていた。彼の逮捕は、遺物を扱う犯罪組織には修復家の存在が必要であることを明らかにした。マンハッタンのバンス地方検事いわく、「盗まれた遺物を偽装する修復師がいなければ、骨董品の密売人が売るためのロンダリングされたアイテムは存在しない」。

リー・スミスは第1級の盗品所持の罪(7件)、第2級窃盗の罪(5件)、第2級の盗品所持の罪(13件)、第3級の盗品所持の罪(1件)、第4級の共謀罪(1件)、第1級の詐欺(1件)に問われている。

 

(ここでの「未逮捕」はニューヨークで逮捕されていないという意味であるらしく、インドで逮捕されている可能性は否定できない。)

 

ここで若干の所感を述べようと思う。この7人をカプール・ファミリーと言いたいところではあるが、あくまで協力者であってカプール専属のメンバーではなく、犯罪組織としてはゆるい結束のように見える。

例えば修復家の2人は他のディーラーのためにも盗品の修復を行っていたし、プラカシュ親子は自分たちのギャラリーを持っており、カプールに依存しきる必要性は薄い。アソカンにおいても他の違法古美術商とのコネがあるらしく、彼について調べれば他のディーラーと働いた悪事が出てくることだろう。カプールが中心人物であることに間違いは無いが、「組織のボス」と表現するにはあまりに他のメンバーが自立しすぎている。

 

肝心のカプールは計86件の罪に問われている。内訳は第1級窃盗罪(1件)、第1級の盗品所持の罪(16件)、第2級窃盗罪(13件)、第2級の盗品所持の罪(50件)、第3級窃盗罪(1件)、第3級の盗品所持の罪(3件)、第4級の共謀罪(1件)、第1級の詐欺(1件)。彼の裁判が終わるのはいつになるのだろうか。

 

他にもカプールと関係があるとされている人物がいるが、上記7人よりもさらに薄い繋がりであるとみられる。ただし中には疑惑にとどまり、まだ当局から睨まれている程度の人物もいるため全員を紹介することは控えたい。一部の人物を挙げて記事を終わろうと思う。

 

ナンシー・ウィーナー(Nancy Wiener)

2015年に盗品の刑事所持と共謀の罪で逮捕された。検事局によると、自身の名を冠したニューヨークのギャラリーを利用してカプールが標的としたのと同じ多くの国から数百万ドル相当の美術品を密輸、販売、ロンダリングしたとされている。彼女はカプールが盗んだインドの古美術の一部を所持していた。

 

ダグラス・ラッチフォード(Douglas A. J. Latchford)(死亡)

プノンペン国立博物館への寄付によって、カンボジア政府から勲章を授与された誉れ高い人物である。しかし彼はアジアでの略奪行為に加担し、盗品を各国の美術館に売る悪徳ディーラーだったようだ。彼を有罪たらしめるのは一連の電子メールに添付された盗掘されたばかりの像の写真だった。

彼はナンシー・ウィーナーと盗品の取引についてメールしており、カプールの盗品を購入してもいた。さらに修復師ニール・ペリー・スミスは彼のためにも盗品の修復を行っていた。ラッチフォードには通信詐欺、密輸など5つの容疑がかけられていたが、2020年8月2日、88歳で死亡している。診断書にはパーキンソン病の合併症による臓器不全と記されていたという。

 

 

あとがき

 

記事内にも書きましたが、この犯罪組織はファミリーと呼べるほどの絆を持ってはいないようです。間違いなく組織犯罪ではありますが、「カプール率いる犯罪組織」と呼べるかも怪しいところかと思います。

これは参考文献の1つであるNeil Brodie氏の論文でも言及されていますが、一蓮托生ではなく、その場その場で日和見的に互いを利用しあったようなフシがあります。

それでも一時的にでも成功できたのは、すでに遺跡や寺院を荒らして密輸できるような土壌が整っていたからかもしれません。資金力と行動力があるカプールは、うまくこの土壌の上に花を咲かせられたのでしょう。

ただ、窃盗実行犯に自分の存在を知られるようなミスをカプールが犯すか?と考えるとやや不自然さも感じます。それを踏まえると、カプール逮捕の直接の原因は案外不透明なままですね。

ちなみに恋人との仲違いがカプール逮捕の遠因という説もあるようです(どこまで信じて良いのかわからなかったので扱いませんでした)。

 

 

参考文献

 

国際手配された人物

https://www.gqindia.com/content/man-who-sold-world

https://news.artnet.com/art-world/new-york-files-charges-145-million-art-smuggling-ring-1598293

https://traffickingculture.org/app/uploads/2019/07/Brodie-2019-criminal-organisation.pdf

「Hidden Idol作戦」

https://www.nortonrosefulbright.com/en/knowledge/publications/36b35c4c/operation-hidden-idol-expands-its-reach-homeland-security-continues-to-actively-pursue-art-stolen-from-ancient-sites-and-temples

https://news.artnet.com/art-world/honolulu-museum-returns-subhash-kapoor-loot-284487

https://news.artnet.com/art-world/national-gallery-australia-returning-14-pieces-looted-art-india-1993764

https://news.artnet.com/art-world/collector-returns-looted-indian-statue-from-subhash-kapoor-313740

https://news.artnet.com/art-world/subhash-kapoor-christies-raid-448481

https://news.artnet.com/art-world/manhattan-district-attorney-returns-33-looted-antiquities-afghanistan-1960666

https://news.artnet.com/market/antiquity-asia-week-seized-feds-450647

https://news.artnet.com/art-world/3-8m-looted-antiquities-to-cambodia-1979478

https://news.artnet.com/art-world/manhattan-d-returns-248-antiquties-india-2027751

暴かれたネットワーク

https://art-crime.blogspot.com/2021/07/a-homeland-welcome-for-neil-perry-smith.html

https://news.artnet.com/art-world/british-restorer-arrested-asian-antiquities-smuggling-1991071

https://news.artnet.com/art-world/3-8m-looted-antiquities-to-cambodia-1979478

https://news.artnet.com/art-world/new-york-antiquities-dealer-arrested-for-laundering-looted-objects-793622

https://www.nytimes.com/2020/08/27/arts/douglas-aj-latchford-khmer-antiquities-expert-dies-at-88.html

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